ドクターMの「美と健康のかかりつけ医」ブログ

2017.11.24

ピコレーザーは、今「買い」なのか?

知っているヒトは知っている、美容マニアなら必須の知識、その名は「ピコレーザー」

2013年に鳴り物入りで登場したこのレーザーは、着実に美容医療の中で存在感を増してきています。

現在では、「ピコウエイ」「ピコシュア」「エンライトン」「スペクトラピコ」「ディスカバリーピコ」の5機種が主に使用されています。

有名美容クリニックでは、必ずと言っていいほど導入されていますし、HP上でもメインとなる位置に宣伝されています。

ただし、まだまだ一般的なものではありませんので、価格は1台2000万前後と高額です。

そのため、施術料金もそれなりの高額で、従来のナノ秒レーザーの倍以上でないとビジネスとして成り立ちません。

では、その値段に応じた価値があるのか、否か?

様々な視点から、検討してみました。

まずは、レーザー界の重鎮、葛西健一郎先生の最新著書を読破。

内容を簡潔にまとめると、

「刺青除去には、従来レーザーよりもかなり良い」

「老人性色素斑、ADMなどの除去については、従来レーザーでも十分なので、優位性はあまりなし。」

「レジュビネーション(肌質改善)については、期待できるところが大きいが、まだまだ経験が少ないのでわからない。これから評価されて行く。」

うむむ、全体的な論調は「ピコ秒レーザー、最高じゃ!万歳!」というよりも、「革新的なレーザー技術だし、いい機械には間違いない。けど、まだまだこれから発展の余地あるね」といった感じです。

もっとピコレーザーを持ち上げて書いているのかと思っていたので、まったく意外でした。

そして、本日京都で開催されたシネロン・キャンデラのセミナーで、講師の小林直隆先生(愛知県の咲くらクリニック院長)にも聞いてみました。

「なんでも聞ける」セミナーですから。シネロン・キャンデラにとって少々耳の痛いことでも、聞いてしまいました。

私「先生、率直に聞きます。ピコレーザーは、今買いですか?そうじゃないですか?」

小林先生「うーん、先生がピコレーザーに何を求めるのかにもよるけど、刺青以外のことに使おうとするならば、まだ買わなくてもええかな?」

やっぱり、そうなのですね。

なんとなくわかってましたが、ピコレーザーはまだまだ「未完の大器」といったところでしょう。

今年ドラフト1位で日本ハムに指名された清宮選手みたいなものです。

「将来、日本のプロ野球を背負って立つ逸材には違いないが、まだまだ本当の意味でのスターじゃない。さらにトレーニングと経験を積み、洗練されてトップスターとして成長してほしい」

現在におけるピコレーザーの立ち位置は、こんな感じでしょうか?

そういえば、ルートロニック社のITO社長も同じ見解で、

「うちにはスペクトラピコがありますが、まだまだ未完成です。(日本法人としては)まだピコレーザー購入をお勧めしません」

と、コメントしてました。

以上、結論として『ピコレーザーは、今は「買い時」ではない!』と判断し、あと数年は購入を見送ることに決定しました。

さらに熟成され、価格も下がったところで、最も洗練されたメーカーの機種を購入する予定です。

私どものような規模のクリニックは、最新機種を高い値段で買う必要は全くありませんので、

評価の定まった安全で効果的な機種を安い値段で買い、施術料金に反映することが最もメリットがあると思います。

また、前述の小林先生は、次のようにもおっしゃっていました。

「一つのレーザーで、すべてのヒトの問題が解決することはあり得ないので、効果がないと判断したら、違う方法を試してみましょう。」

これはすべての医療行為に当てはまる真実です。

最初から「絶対効く」治療を選択できる神様のような医者はこの世に一人もいませんから。

来年2月からは、「痛くない美肌&リフトアップマシン」である「インフィニハイブリッド」、「痛みの少ない王道脱毛マシン&美肌治療マシン」である「クラリティツイン」が加わり、これまで以上に患者様のニーズに合わせた美容治療ができるようになります。

みなさま、2月には素晴らしいキャンペーンをぶち込みますので、楽しみにお待ちください。

よろしくお願いいたします。